ワイヤーハーネスの品質を確保するには

ワイヤーハーネスの品質を確保するには

ワイヤーハーネスの品質を確保する方法をご紹介します。一般的には管理資料である作業基準書や作業手順書、QCフローチャートを作成します。管理資料作成や実作業で特に注意が必要な項目を以下説明します。
  

1:受領図面のチェック

ワイヤーハーネスの図面に記載された情報が制作に必要な情報を網羅しているか確認します。部品名の抜け落ちや、オスコネクタにメス端子が指定されているなどの齟齬を確認し、不明点は図面製作者に問い合わせします。電線の切断寸法や先端部の剥き長さなど図面に指定されない場合がある細かな情報は自社で追加します。

2:適正な作業員による製作

ワイヤーハーネスを製作する各工程において、各工程の作業を行うにあたり適正な技量のある作業員を選定しましょう。技量が不十分な作業者が作業を行うと品質が低下します。自社内で教育計画や各人の技量管理が必要です。OJTによる教育時は適正な指導者が製作品の品質を都度確認しましょう。また、特定の製品や作業に関して専属の担当者を設けると、繰り返し作業による習熟度の上昇がみられ品質が安定します。

3:作業の機械化

作業を機械化する事により品質を安定させることができます。機械はセッティングすると同じ動きを繰り返すため、手作業よりも品質のぶれが少なくなります。電線の切断、皮むき、半田、圧着、圧接など機械化が可能な作業があります。なお、機械の状態が適正でないと品質は逆に安定しないため、定期的な機械のメンテナンスが必要です。

4:治具の開発

作業者が同じ品質で同じ物を作れるように治具を開発する事で品質を安定させる事が出来ます。アイデア次第で様々な治具を開発する事が可能です。自社での開発が困難な場合は、治具製作を生業としている企業を開拓しましょう。

5:最終検査と中間検査

ワイヤーハーネスが完成したら最終検査をおこないます。検査員は作業員と別の人材が担当します。間違った製品を作ろうとして作業する人間はまずいません。自ら作成したワイヤーハーネスを自己検査すると、自分の間違いに気づかず不良を見逃してしまう確立が高くなります。最終検査はキズ、汚れ、寸法、印字内容、テープや結束の位置などの外観検査と、ご配線が無く適正に電気を通しているか導通耐圧検査を行います。コネクタに挿入される前の端子の圧着状態やカバーが付けられる前の半田状態など最終検査で検査しにくい項目については中間検査を行います。

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