ワイヤーハーネスの納期はどのようにして決まるのか
ワイヤーハーネスの調達に必要な納期がどのようにして決定されるかご紹介いたします。調達に必要な納期に主な影響を及ぼす項目は必要な部品の調達に要する時間、製造に要する時間、出荷と輸送に要する時間です。
1:必要な部品の調達に要する時間
ワイヤーハーネスの製造に必要な部品が入手できなければ製造を開始することが出来ないため、調達に要する時間は納期に影響を及ぼします。電線の切断が初めの製造工程となるため、電線の調達に要する時間は納期に大きく影響します。
在庫が自社にあれば調達時間を省略することができますが、通常は必要な部品の調達に数日から数週間の時間がかかります。また、受注生産品や在庫が切れている部品を調達する場合は1か月から数か月も調達に要します。
2:製造に要する時間
製造に要する時間は、以下の概算式で計算することができます。
計算式から作業員数と1人当たりの1日の労働時間を増加させれば納期を短縮できることがわかります。特別な作業の場合は、技術的に作業可能な作業員数が少ない場合があり納期が短縮しにくい傾向があります。また長時間の労働は労働者の疲弊による不良発生に繋がる可能性があります。
3:出荷と輸送に要する時間
出荷するためには製品を梱包しなければなりません。梱包に要する時間は既述の概算式と同じ方法で算出することができます。製品の梱包に要する時間は製造に要する時間に比較して短いため、製造に要する時間よりも納期への影響は少なくなります。
輸送に要する時間は宅急便などの輸送サービスを利用すると国内であれば1日から数日です。例えば関東地方から中部地方や東北地方の一部の県までは、1日で輸送することが可能です。海外への輸送であれば送り先の国によりますが、数日から数週間の時間を要します。
4:バッファー(余裕)と納期
最終的な納期は以下の式で概算することが出来ます。
(納期)=(調達に要する時間)+(製造に要する時間)+(出荷と輸送に要する時間)+(バッファー)
部品の調達遅延や製造工程上の不備など不足の事態を考慮して、バッファー(余裕)を納期に考慮します。バッファーを考慮することで納期遅延のリスクを低減することができます。バッファーを考慮しないでワイヤーハーネスの調達をより短納期で希望する場合は、納期遅延リスクが高まることを念頭に置いてください。