ワイヤーハーネスの市場環境は
ワイヤーハーネスの需要が最も高い自動車産業における、
ワイヤーハーネスの市場環境についてご紹介します。
ワイヤ―ハーネスの市場に大きく影響するのは自動車生産台数の市場動向です。世界の自動車生産台数は米国、日本、EUなどの先進国で微増する傾向にあり、中国やアジアなどその他の発展途上国では著しく増加しています。特に中国自動車生産台数は急成長を遂げ2014年の台数は2003年の5.3倍での約24百万台となっています。世界の自動車生産台数は2025年には2012年の約85百万台に対して約1.5倍に到達すると予想されています。
自動車生産台数が増加するため、ワイヤーハーネスの市場も同様に増加傾向となります。世界のワイヤーハーネスの市場規模をワイヤーハーネスの回路数合計で表すと2025年には2015年の約360億回路に対して1.6倍に到達すると予想されています。需要の増加が著しい中国では2015年に85億回路、2025年に200回路と2.3倍もの増加が予想されています。
自動車生産台数よりもワイヤーハーネス市場の増加率が高いのは、自動車が高機能化するに従い電気信号や動力を伝える回路が増加し、自動車1台あたりに使用されるワイヤーハーネスの回路数が増加しているからです。自動車1台あたりに使用されるワイヤーハーネスの回路数は中国などの発展途上国のほうが先進国よりも年々の増加率が高い傾向がありますが、回路数そのものは先進国の方が多くなっています。
また自動車1台あたりに使用されているワイヤーハーネスの費用は、2015年以降において世界の自動車1台あたりの平均で約400USドルでありその後の予測もほぼ一定となっています。先進国では自動車1台あたりの費用がほぼ同等で2015年以降では500USドル程度で推移することが予想されていますが、中国では2013年の300USドルから2020年には400USドル程度に上昇し、世界の平均的な費用に達することが予想されています。
*数値データは以下の資料を参照しています。
「特許出願技術動向調査報告書 ワイヤーハーネス 平成27年度」 特許庁