ワイヤーハーネスを調達するには
ワイヤーハーネスを調達するには
一般的なワイヤーハーネスの調達方法をご紹介いたします。ワイヤーハーネスは基本的に電力や信号を伝える「電線」と、その電力や信号を周辺外部に接続して伝達する「端子やコネクタ」から成ります。ワイヤーハーネスを調達する手順は以下です。
1:仕様の決定 図面作成
まず、調達したいワイヤーハーネスの仕様を決定します。電線や端子、コネクタの仕様はワイヤーハーネスによって接続したい機器間の電流、電圧、周囲温度、ノイズの有無、信号の数、使用環境(屈曲、可動、耐油など)、電線の取り回しや取り付け作業性など諸所の条件から決定します。仕様が決定したら、価格や入手性といった調達面を考慮しながら仕様に適合する電線や端子、コネクタを各種メーカの部材から選定します。
また一般的に電線の切断部には保護チューブ、複数の電線を結束する場合には結束バンド、ワイヤーハーネスの識別ため電線両端に銘板が必要となります。このような各種部材も各種メーカから選定します。
使用する部材が決定したらワイヤーハーネスの図面を作成します。図面には以下のようなワイヤーハーネスの使用部品、製作、管理に必要な情報を記載します。
<使用部品に関する情報>
・電線の型番、メーカ、長さ
・端子やコネクタ、各種部品の型番、メーカ、仕様個数
<製作に関する情報>
・概略図や配線、結線に関する情報
・保護チューブや結束バンドの取り付け位置
・銘板の位置と印字内容
・その他、特筆すべき事項
<管理に必要な情報>
・図面番号、図歴、ページ番号
・作成者、承認者、作成日
2:見積依頼
ワイヤーハーネスを製作している企業に見積を依頼します。見積依頼には基本的に図面、数量、希望納期、納入場所などの情報が必要となります。発注となった場合の今度の見通しも重要な情報となるため可能な限り伝達します。見積依頼では依頼先に設備や調達面でのワイヤーハーネス製作の可否、価格、納期といった項目を確認します。
見積依頼は複数企業に依頼した方が製作依頼先を選定する選択肢が増加し、より有益な結果を入手できる可能性が高くなります。設備や調達力の違いにより各社製作可能なワイヤーハーネスは異なり、価格や納期も異なります。なお、見積依頼の具体的な方法は各社各様ですので、依頼先に確認します。
3:発注
見積依頼の結果から製作を依頼する企業を決定します。ワイヤーハーネス製作の可否、価格、納期は重要な判断材料になりますが企業の信頼性も精査が必要です。総合的に企業を評価し発注先を選定しましょう。
発注前には見積依頼では不明確である種々の事項(支払条件や納入条件など)を確認して双方の合意形成が必要です。発注の具体的な方法は契約の締結も含め各社各様ですので、発注先に確認し発注します。納入の納期は不足の事態を考慮し、余裕を持った日程を提示しましょう。
4:納品
指定場所と納期に従ってワイヤーハーネスが納入されてきます。ワイヤーハーネスは1点ごとにカスタマイズされており仕様が異なる事がほとんどです。図面不備や双方の確認不足で仕様が異なるワイヤーハーネスが納入されるケースも稀にあります。特に初回の発注や納入時には現品の仕様を確認することが重要です。